大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

横浜地方裁判所 平成6年(わ)98号 判決

一 本店の所在地 神奈川県相模原市陽光台六丁目八番一二号

法人の名称

有限会社佐藤建材

代表者の住所

右同所

代表者の氏名

佐藤青三

一 本籍 神奈川県相模原市陽光台六丁目五九五四番地

住居

同市陽光台六丁目八番一二号

職業

会社役員 佐藤青三

昭和一九年四月五日生

右の者らに対する法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官加藤修司出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

一  被告人有限会社佐藤建材を罰金四〇〇〇万円に処する。

二  被告人佐藤青三を懲役一年六月に処する。

この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人有限会社佐藤建材(以下「被告会社」という)は、肩書所在地に本店を置き、建設資材の販売及び産業廃棄物の処理等を目的とする会社であり、被告人佐藤青三は、被告会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括するものであるが、被告人佐藤青三において、被告会社の法人税を免れようと企て、被告会社の法人税を免れようと企て、被告会社の業務に関し、売上の一部を除外する等の方法により所得を秘匿した上

第一  平成元年九月一日から同二年八月三一日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額は二〇七、三六六、四六四円であり、これに対する法人税額は八一、九五四、四〇〇円であったにもかかわらず、同二年一〇月三〇日、神奈川県相模原市中央四丁目三八番三二号所在の相模原税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額が八二、六一四、九三四円で、これに対する法人税額は三二、〇五三、六〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の同事業年度における正規の法人税額との差額である四九、九〇〇、八〇〇円の法人税を免れ

第二  平成二年九月一日から同三年八月三一日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額は二六八、八五三、四二八円であり、これに対する法人税額は九九、八八四、一〇〇円であったにもかかわらず、同三年一〇月三一日、前記相模原税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額が一一七、八九一、二五六円で、これに対する法人税額は四三、二七三、三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の同事業年度における正規の法人税額との差額である五六、六一〇、八〇〇円の法人税を免れ

第三  平成三年九月一日から同四年八月三一日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額は二八二、二五六、八七二円であり、これに対する法人税額は一〇四、八八一、二〇〇円であったにもかかわらず、同四年一〇月二九日、前記相模原税務署において、同税務署長に対し、同事業年度の所得金額が一〇〇、七九四、〇六一円で、これに対する法人税額は四〇、四六一、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって、不正の行為により、被告会社の同事業年度における正規の法人税額との差額である六四、四一九、七〇〇円の法人税を免れ

たものである。

(証拠の標目)

判示事実全部につき

一  被告会社代表者兼被告人佐藤青三の当公判廷における供述

一  被告会社代表者兼被告人佐藤青三の検察官に対する供述調書四通

一  佐藤ハルエ及び岸本クニ子の検察官に対する各供述調書

一  吉川秀夫及び黒須良男の大蔵事務官に対する各質問てん末書

一  大蔵事務官作成の各調査書(甲一三号ないし二六号)

一  横浜地方法務局相模原支局登記官作成の登記簿謄本

判示第一の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(甲二号)及び法人税額計算書(甲三号)

判示第二の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(甲四号)及び法人税額計算書(甲五号)

判示第三の事実につき

一  大蔵事務官作成の脱税額計算書(甲六号)及び法人税額計算書(甲七号)

(法令の適用)

被告人らの判示各所為は、いずれも法人税法一五九条一項に該当し、更に被告会社については同法一六四条一項(一五九条)を適用し、被告人については、所定刑中懲役刑を選択し、以上は、刑法四五条前段の併合罪なので、被告会社については同法四八条二項を適用し、被告人には同法四七条本文、一〇条により犯情最も重い判示第三の所為の罪の刑に法定の加重をし、その所定金額及び刑期の範囲内で、被告会社を罰金四〇〇〇万円に、被告人を懲役一年六月にそれぞれ処し、情状により同法二五条一項を適用して被告人に対しこの裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 畠山芳治)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例